HOME

<インフルエンザについて>
インフルエンザ情報  インフルエンザの予防と治療


−インフルエンザの予防接種はなぜ効くのか−
 インフルエンザウイルスの表面たんぱく質がワクチンには含まれています。 一回注射するとリンパ球が反応を起こし、ウイルスを撃退するための抗体が産生されますが、 この反応は短期間に消失し、また病気を予防するには弱いものです。
 2回目の注射で前回に刺激されたリンパ球がさらに強く反応を起こし、また、長期間にわたって十分量の抗体を作るようになります。
−流行予想はあたっているのか−
 WHO(世界保健機構)は世界4ヶ所(アメリカ・イギリス・オーストラリア・日本)のセンターで、 インフルエンザの流行予測のサーベイランスを行っています。 その調査結果をもとに毎年2月にワクチン株が決定されます。 わが国では、国立感染症研究所が製造株の選定をし、各メーカー共、共通に3〜4種の株に対するワクチンを製造しています。
 つまり、ワクチンは毎年異なる種類のものがつくられています。近年的中率はかなり高くなっています。
−今年の予想は−
Aソ連型/Brisbane(ブリスベン)/59/2007(H1N1)
A香港型/Uruguay(ウルグアイ)/716/2007(H3N2)
B型/Florida(フロリダ)/4/2006  

注射には上記の3タイプのウイルスを想定したワクチンが全て含まれています。
−1回接種と2回接種の違いは−
 予防効果という点でいえば、理論的にも臨床的にも2回接種のほうが1回接種より優れていることがわかっています。 基本的には昨年同様2回接種をお勧めしています。接種の間隔は1〜4週間とされていますが、免疫効果を考慮すると4週間が最適と言われています。
 1回の接種でもあるていどは予防効果があり、今年から医師の判断で1回接種でもよいということになりました。 ある年齢以上では過去にインフルエンザにかかっており、それが基礎免疫になっているという考えに基づいています。
 ですから、小児や若年者には2回接種が必要です。
−副作用について−
 アレルギー・アナフィラキシー・脳脊髄炎といった副反応は0.1%未満です。発熱や接種部位の発赤は10%の頻度で起こりますが、 特に治療の必要はありません。
 また、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンですから、ワクチン接種により感染することはありません。
−流行してからでも打つべきか−
 予防接種の効果は1週間くらいで出てきます。流行してからでも決して遅くはありません。どうしてもその1週間の間インフルエンザにかかりたくない場合は、 予防薬の服用をすることもあります。インフルエンザの流行は1シーズンに2回くらいおきます。
 たとえばA香港型とB型といった具合に、異なるタイプの流行が起こります。 そのためワクチンにも3種のワクチンが含まれているわけです。予防接種は流行してからでも決して遅くはありません。
−去年打ったが今年も打つべきか−
 昨年のワクチンと今年のワクチンは種類が違います。流行もワクチンも毎年変わるので、毎年接種されることをお勧めします。 接種を続けると基礎免疫がつき、有効率があがることがわかっています。
−治療について−
 ウイルス感染には抗生物質は効きません。風邪で抗生物質が処方されるのは、ウイルス感染に引き続いて起こる細菌感染を予防・治療するためです。
 解熱薬の使用は、ウイルス感染を引き伸ばしてしまうことがわかっています。仕事などで仕方がないという場合や、睡眠や食事が十分取れず、体力を消耗してしまうという場合に限って使うのが良いでしょう。
 小児のインフルエンザでは、アスピリンやボルタレンといった消炎鎮痛剤は、ライ症候群やインフルエンザ脳症の悪化につながるとして使用されなくなりました。使用する薬は、マイルドな効果をもつアセトアミノフェン(市販のバファリン、カロナール、アンヒバ、アルピニーなど)です。
 漢方薬の葛根湯や麻黄湯は、麻黄の成分が、発汗をもたらし、解熱作用があるため、よく使われます。虚症の方や胃が弱い方には麻黄が入っていない漢方を処方することが多いです。
 食事ができず、脱水気味の方へは点滴治療が著効を示す場合があります。
−新しい治療法について−
・塩酸アマンタジン(シンメトレル):
 A型インフルエンザにのみ効く内服薬です。パーキンソン病の治療薬として以前から使われており、副作用に関しても情報が蓄積されているため、安心して使用できます。耐性ウイルスの出現を防止するため、5日くらいを目途に処方されます。ひき始めに服用を開始すれば、2〜3日の服用で著明な効果があります。

・ザナミビル(リレンザ):
 A型・B型両方に効く治療薬です。専用のキットを使って吸入します。気管に直接噴射されるため、効率的に抗ウイルス作用が発揮されます。また、全身への吸収が少なく副作用もその分少なくなります。平成13年2月に薬価収載が決まり、保険がきくようになりました

・オセルタミビル(タミフル):
 A型・B型両方に効く治療薬です。カプセルの内服薬で1回1カプセル1日2回の服用を5日間行います。やはり、即効性があり、1〜2日で熱も下がります。また、服用しやすいという利点があります。